山梨のブドウ畑からカンヌへ。- 三澤彩奈がカンヌの国際文化交流の場で伝えた、甲州と山梨の精神 –

5月半ばの南仏カンヌ。カンヌ国際映画祭が最高潮を迎えるなか、地中海を望む Hotel Martinez に世界各国の映画人・文化人1000人以上が集まりました。日本文化を世界へ発信する国際交流イベントJAPANESE
NIGHT in Cannes 2026」の夜のことです。和装姿で壇上に立った当社取締役・三澤彩奈は、遠く山梨・北杜市明野町のブドウ畑に思いを馳せながらマイクを握りました。

標高 700 メートルの丘陵地で日々ブドウと向き合い、千年の歴史をもつ日本固有品種「甲州」を世界基準のワインへと磨き上げてきた醸造家が、映画と文化の祭典の場で語ったのは、土の匂い、風の音、そして日本人のものづくりの魂でした。

■ 日本が主役になった、特別な年に

2026 年のカンヌ国際映画祭は、映画見本市Marché du Filmにおいて日本をCountry of Honour(特別招待国)に選定した特別な年。映画産業での日本への関心が世界的に高まるなか、俳優・プロデューサーのMEGUMI氏がファウンダーを務める「JAPANESE NIGHT」(2024年創設)は今年、「人・物・事」に焦点を当て、日本映画と文化の価値をより具体的な魅力として世界へ伝える場として機能しました。

会場では、ウディネ・ファーイースト映画祭で最高賞と特別観客賞をダブル受賞した映画『FUJIKO』の木村太一監督らが登壇。三澤彩奈もまた、スピーカーの一人として壇上に立ちました。そのきっかけは、2024 年に MEGUMI 氏がプロデュース、木村監督が手がけたショートドキュメンタリー「AKOI」への出演でした。

■ 「足肥」が映す、畑との対話

「AKOI(足肥)」とは、足しげく畑に通う農夫・農婦ならではの肌理細やかさと、栽培への誇りを意味する言葉。闇雲に地力をつける肥料まきよりも、土と向き合い続けることの価値を映した言葉です。ドキュメンタリーは、映画「いま、会いにゆきます」(土井裕泰監督・2004 年)のロケ地ともなった北杜市明野町のブドウ畑を舞台に、三澤彩奈がワインと向き合う日々を追いました。


山を眺め、風を感じ、鳥の声を聴き、植物の香りを嗅ぐ。ブドウ一本一本を観察する小さな発見の積み重ねが、三澤の言う「風土を生かしたワイン造り」の核心にあります。その哲学を映像に収めたのが「AKOI」であり、その映像が縁となって、山梨のワインはカンヌの夜へと旅立ちました。

■ 千年の品種が、国際交流の場に注がれた夜

会場では『三澤甲州』が来場者に提供されました。甲州は、千年以上の歴史をもつとされる日本を代表するブドウ品種。当社は 1923年の創業以来、この品種の個性を世界に通用する品質へ高めることに取り組み、2014 年には世界最大のワインコンクール Decanter World Wine Awardsにて、自社畑である北杜市
明野町・三澤農場産の甲州で醸した『キュヴェ三澤 明野甲州2013』が日本ワイン初の金賞を受賞しました。2020 年、このワインはさらなる研究を重ね、産地特性を表現したワイン、新生『三澤甲州』として生まれ変わります。

■ 三澤彩奈 コメント

「JAPANESE NIGHT は、単に日本を発信する場ではなく、世界から集まった方々とお互いを尊重し合う国際交流の場でした。映画をはじめ、さまざまな分野の表現者や造り手の方々に焦点が当てられる特別な夜に、山梨のワイン、そして日本固有品種である甲州についてお話しする機会をいただけたことを大変光栄に思います。

『三澤甲州』は、山を眺め、風を感じ、鳥の声を聴き、植物の香りを感じながら、山梨の風土と向き合って生まれるワインです。映画とワインには、造り手の魂が作品に宿り、鑑賞後、試飲後にも余韻が続くという共通の美しさがあるように思います。日本のものづくりや美しい精神性を、ワインを通じて表
現できる醸造家でありたいと、改めて感じました」